「退職代行を使ってみたいけど、転職にマイナスになる?」
「退職代行を使ったことが転職先にばれないか心配」
今の職場を退職したいものの、退職代行サービスの利用が転職活動に影響するのではと不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
結論から言えば、退職代行サービスを利用しても転職先にバレることはほとんどありません。
本記事では、なぜ退職代行の利用がバレないのか、その理由と具体的な対策について詳しく解説していきます。
- 退職代行が転職先にバレない4つの理由
- 退職代行利用がバレる可能性があるケースと具体的な対処法
- 退職代行を使って転職を成功させるための実践的なポイント
1.退職代行を使っても転職先にバレない4つの理由
退職代行サービスを利用しても転職先に知られることはまずありません。
その安全性は、以下の4つの理由から法律でも担保されています。
個人情報保護法で前職調査は禁止されている
個人情報保護法の規定により、転職先企業が応募者の同意なく前職に調査を行うことは明確に禁止されています。
具体的には、同法第27条において、「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」と定められています。
この規定に違反した場合、企業には以下のようなペナルティが課される可能性があります。
- 個人情報保護委員会からの是正勧告
- 違反企業名の公表
- 最大1億円の課徴金
- 法人としての信用失墜
退職代行業者には守秘義務がある
退職代行業者は、利用者のプライバシー保護を最優先事項として扱っています。
特に弁護士が運営する退職代行サービスでは、以下の3段階の守秘義務が課されています。
さらに、情報管理に関する具体的な取り組みとして、情報へのアクセス制限、データの暗号化、定期的な内部監査、スタッフへの教育研修などが実施されています。
前職が情報提供することは法律違反になる
個人情報保護法第27条により、前職の企業が退職した従業員の情報を第三者に提供することは明確に禁止されています。
これには、退職の経緯や理由をはじめ、在職中の勤務実績、退職手続きの方法、そして個人的な情報全般が含まれており、
企業がこの規定に違反した場合は損害賠償請求の対象となる他、行政処分を受ける可能性があります。
加えて、企業イメージの低下を招き、他の従業員からの信頼を喪失するリスクも伴うため、会社にとって極めてリスキーなことなのです。
退職代行の仕組み上、情報漏洩の可能性は極めて低い
退職代行サービスのプロセスは、情報漏洩のリスクを最小限に抑える設計になっています。
基本的な流れとして、オンラインでの申し込みはSSL暗号化通信を用いており、電話やチャットでの詳細確認が行われます。
書面でのやり取りは最小限に留め、データは一定期間後に完全消去されるのです。
さらに、情報管理の具体例として、スタッフへの教育、物理的なセキュリティ対策などが挙げられます。
2.退職代行利用者が転職前に知っておくべき権利と対策
退職代行サービスの利用は、法律で保護された労働者の正当な権利です。
今すぐ仕事を辞めたいと考えている人に、知っておくべき重要な権利と具体的な対策を解説します。
退職代行は合法的な権利行使である
退職の権利は、憲法第22条の職業選択の自由に基づく基本的人権の一つとされ、退職代行サービスの利用もこの権利の行使方法として認められています。
法的根拠として、憲法第22条(職業選択の自由)、民法第627条(雇用の期間)、労働契約法第16条(解雇の制限)などが挙げられます。
失業給付金の受給に影響はない
退職代行サービスを利用しても、失業保険の受給資格や給付内容に影響はありません。
基本手当は従来通りの計算方式で支給され、要件を満たせば再就職手当の給付も可能です。その他の給付金についても、通常通り申請することができます。
ただし、注意点として定められた待機期間は必要であり、必要書類は通常通り提出しなければなりません。また、ハローワークでの手続きも忘れずに行う必要があります。
転職後のキャリアに影響を与えない
退職代行の利用は、キャリアの評価とは完全に切り離されたものです。
履歴書・職務経歴書への退職方法の記載は不要であり、在籍期間と職務内容のみが重要視されます。
退職理由に関しては、別の適切な表現で説明することで代行利用の事実を回避できるので、業務実績や専門性の評価に影響はありません。
3.退職代行利用が転職先でバレるケースとは
基本的には利用しても転職に不利にはならない退職代行ですが、以下のようなケースでは退職代行の利用が明らかになるリスクがあります。
事前に把握して対策を講じることが重要です。
転職した先に知り合いがいる
同じ業界内での転職となれば、退職代行を利用したことがバレるリスクが特に高まります。
特にリスクが高まるケースとして、
- 同業種への転職
- 同じ地域での転職
- 取引先企業への転職
- 業界内の人脈が濃い分野
などのケースが挙げられます。
そのため、転職先選びには十分な注意が必要です。
知り合いがいる可能性を事前に調査し、適切な対策を講じることが賢明でしょう。
また、知り合いがいたとしても、プロフェッショナルとしての振る舞いを心がけ、過去の経緯にとらわれずに新たな環境で力を発揮することが大切です。
SNSで退職代行利用に関する投稿をした
今では誰もが利用しているSNSですが、その利用方法に関しては改めて認識する必要があるでしょう。
何故ならSNSに退職に関する感想や経緯、前職への不満や批判、退職代行サービスの利用報告、退職に関連する示唆的な投稿などをすることによってバレる可能性が高まるからです。
これらの投稿はたとえ匿名投稿であっても、転職先の企業がバックグラウンドチェックをしていれば発見される可能性があるし、マイナスの評価につながる懸念があります。
また、このことによって前職の同僚や上司との関係悪化、法的トラブルのリスクも無いとは言えません。
対策としては、退職に関する情報をSNSで発信することは避け、プライバシー設定を見直すことが重要です。
さらに、投稿内容が第三者に与える影響を十分に考慮し、節度ある行動を心がけることが求められます。
参考:back check バックグラウンドチェックとは?調査内容ややり方を解説
懲戒解雇扱いだと理由を尋ねられる場合がある
懲戒解雇となったケースでは、転職先で理由を追求される可能性があります。
このような場合、転職先の企業から懲戒解雇の理由について詳しく尋ねられることがあります。
適切な説明ができないと、採用に影響する恐れがあるでしょう。したがって、退職代行を利用する際は、懲戒解雇に該当するような行為は避けることが賢明です。
万が一懲戒解雇扱いになった場合は、事実関係を整理し、誠実な対応を心がけることが重要と言えるでしょう。
民間企業運営の退職代行の中には守秘義務がない会社がある
弁護士資格を持たない一部の民間企業が運営する退職代行サービスでは、守秘義務の基準が明確でない場合があります。
弁護士資格がない上で非弁行為(弁護士法に定められている弁護士のみに認められている行為を弁護士以外が行う行為)をすることは弁護士法72条違反行為です。
信頼性の低い業者を選んでしまうと、情報管理が適切に行われない可能性があります。
前職調査をされる
前職調査のリスクは、業界によって大きく異なります。
候補者から前職調査の同意を取れば、個人情報保護法の違反には当たりません。
そのため、特に金融・証券業界などでは、コンプライアンス上の理由から比較的詳細な経歴確認が行われる傾向にあります。
また、公安関係の職種や機密情報を扱う職種、教育関連業界においても、前職の状況確認が慎重に行われることがあるのです。
違法にはなりますが、候補者に無断で前職調査をする企業もないとは言い切れません。
もし、そのような企業への就職を考えていたのなら、違法行為を平気でする企業への就職自体を見直すことをおすすめします。
4.転職先に退職代行利用がバレないためのポイント
情報管理を適切に行うことで、退職代行の利用が転職先に知られるリスクを最小限に抑えることができます。
以下のポイントを押さえた上て転職に挑みましょう。
退職代行を使ったことは誰にも言わない
退職代行の利用は、知る人を最小限に留めることが賢明です。
初歩的なことですが、退職代行を利用したことは誰にも言わないことを徹底することが一番の防御策です。
特に情報共有を避けるべき対象として、前職の同僚や上司、SNSでの知り合い、転職エージェントなど、また家族や身内にも言わない方が良いでしょう。
情報漏洩を防ぐための実践的な対策を紹介します。
このように、慎重な情報管理を心がけることで、退職代行の利用が知られるリスクを最小化できます。
口外しないことを徹底し、不必要な詮索を避けるよう注意しましょう。
SNSで退職に関する投稿をしない
誰にも言わないということでは、前職の同僚や上司はもちろん、SNSでの知り合いにも情報を共有すべきではないでしょう。
インターネットは検索さえすればどのような情報もヒットします。
なのでどのような人が投稿内容を閲覧しているか分かりません。
情報漏洩を防ぐための実践的な対応としては、インターネットに自身の近況などを垂れ流さないようにすることが重要です。
もし相談が必要な場合は、弁護士など信頼できる専門家のみを頼るべきです。
また、転職活動については別の話題として扱い、退職理由については一貫した説明を準備しておくことが望ましいでしょう。
面接での退職理由の伝え方に気を付ける
面接で正直に退職代行の利用を報告する必要はありません。
しかし、対策を怠っていれば面接中にうっかり口走ってしまうこともあるかもしれません。
面接時に退職理由を聞かれた際の対策として推奨される退職理由は、
- キャリアアップを目指して
- 新しい分野にチャレンジしたい
- より専門性を高めたい
- 自己成長の機会を求めて
など、ポジティブな言葉を用意しておきましょう。前向きで明確な目的意識を示すことが重要です。
一方、避けるべき表現には、前職への不満、個人的なトラブル、具体的な退職経緯、ネガティブな理由などがあります。
ネガティブな言い回しに気を付けながら面接官に好印象を与え、前職からの成長をアピールしましょう。
前職とは違う業種への転職も検討する
狭い業界で転職先に知り合いがいるかもしれない…そこから情報が洩れることを心配する人もいるでしょう。これを機に、自身の持つスキルや経験を活かせる「新しい業界」にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
新しい視点や知識を得られるだけでなく、前職での経験を違った角度から活かすことで、より幅広いキャリアを築けます。
また、業界を超えた人脈も広がり、将来の選択肢も増えていくでしょう。不安も大きいですが、それ以上に成長のチャンスもあります。
この機会に、新しい可能性に挑戦することも検討してみるのもいいかもしれません。
5.退職代行と転職を成功させる具体的な手順
スムーズな転職には、転職活動と同時進行で退職代行の手続きを進めることが望ましいです。
退職代行を利用しながら、効果的に転職活動を進めるためのステップを解説します。
転職サポートがある退職代行業者を選ぶ
まず、退職代行業者の選定ポイントとして、弁護士監修または労働組合運営、転職支援実績の豊富さ、アフターフォローの充実度、料金体系の透明性などが挙げられます。
その上で、転職サポートを行っている業者を選定するのが望ましいでしょう。
転職サポートを謳っている退職代行会社の主なサービス内容としては、以下のものがあります。
なお、これらのサービス内容は各社によって異なり、追加料金が発生する場合もあります。内容と料金体系を事前によく確認してください。
求人紹介サービス
現在のキャリアを考慮した豊富な求人情報の中から、希望条件に合った求人を厳選して紹介します。
また、企業の詳細情報も提供し、より良い選択をサポートします。
キャリアカウンセリング
経験豊富なキャリアアドバイザーとの面談を通じて、転職の目的や希望条件を整理していきます。
また、現在のスキルや市場価値を分析し、より良いキャリアプランの策定をサポートしてくれます。
履歴書・職務経歴書の作成支援
履歴書や職務経歴書の添削から、志望動機の作成アドバイスまで、きめ細かな支援を行います。
また、面接対策に必要な資料作成もサポートしている企業もあるので、より効果的な転職活動が可能となります。
面接対策サービス
模擬面接の実施や退職理由の説明方法のアドバイス、さらには給与交渉のポイントまで、実践的な指導を行います。
これにより、本番の面接でも自信を持って臨むことができます。
退職後のアフターサポートまで対応しているか確認する
退職後のアフターサポートがあるかどうかもチェックすべき項目です。
アフターサポートの具体例としては以下ものがあります。
退職後の手続き支援
退職後に必要な各種手続きをサポートします。
例えば、離職票の受け取りや保険証や貸与物の返却作業を行ってくれる会社があります。
また、雇用保険の手続き方法の説明や、源泉徴収票の受け取り方についてのアドバイスもしてくれます。退職金の清算状況の確認や、未払い残業代がある場合の請求サポートなども可能です。
前職からの問い合わせ対応
退職後に前職から連絡があった場合の対応を代わって行ってくれます。退職者は前職と関わらずに済むので安心です。
メンタルケアサポート
退職後に感じる不安や心配事について、専門のカウンセラーに相談できるサービスを提供する会社もあります。
新しい生活やキャリアに向けての精神的なサポートを受けることができます。
法的サポート
退職後にトラブルが発生した場合、顧問弁護士への相談や法的アドバイスを受けられます。
未払い賃金や退職金に関する問題、退職後の競業避止義務についての相談など、法的な観点からのサポートを受けられるのが強みです。
書類の保管・管理する
退職に関する重要書類(退職証明書、離職票など)の保管方法についてアドバイスを貰えます。
また、これらの書類の再発行が必要になった場合のサポートも行ってくれるでしょう。
なお、アフターサポートの期間や内容は各社によって異なります。
契約時にサポート期間や具体的なサービス内容、また、追加料金が発生するサービスかどうかなど、料金体系についても事前に確認が必要です。
退職代行と並行して転職活動を進める
退職代行会社を決めたら契約をして早速退職の準備を進めていきましょう。
退職代行と転職活動を並行して進めることには、時間の有効活用、心理的負担の軽減、スムーズな転職の実現、経済的なリスク軽減などのメリットがあります。
転職までの期間を無駄なく過ごすことで、理想的なキャリアチェンジを実現できるでしょう。退職代行と並行して転職活動する主なメリットを紹介します。
給与交渉のタイミングを見極められる
退職代行サービスの経験豊富なアドバイザーが、業界標準の給与水準や、あなたのスキル・経験に見合った適切な報酬額をアドバイスします。
代行会社によっては交渉の具体的な進め方や、提示された条件への対応方法まで、実践的なサポートを受けられるので給与交渉のタイミングを逃しません。
退職代行依頼後の活動スケジュールを立てられる
退職代行サービスでは転職サポートとして専任のアドバイザーが、あなたの状況に応じた効率的な活動計画を提案してくれます。
退職日の調整から、面接日程の設定、内定後の入社時期の調整まで、相談することがでるので安心です。
転職サイトを効果的に活用できる
提携している転職エージェントがいる代行会社なら、非公開求人を含む豊富な求人情報の提供を受けられるケースがあります。
履歴書や職務経歴書の書き方、志望動機の作成まで、転職サイトを最大限活用するためのノウハウを伝授してくれるでしょう。書類選考通過率を高めるコツも指導してもらえます。
面接の対策法を身につけられる
面接直前の準備から、想定される質問への回答例、退職理由の説明方法まで、実践的な面接対策のアドバイスを貰えます。
面接当日は落ち着いて臨めるよう、メンタル面のサポートもしてくれます。
6.退職代行を使っても転職に影響なし!気持ちよく新たなキャリアをスタートしよう
退職代行サービスの利用は、法律で保護された正当な権利行使であり、適切に利用すれば転職活動に悪影響を及ぼすことはありません。
なので、転職への不安から退職代行の利用を躊躇する必要はないでしょう。ただし、情報管理には十分な注意を払い、信頼できる業者を選択することが重要です。
本記事で紹介した対策を実践することで、退職代行を活用しながら理想的な転職を実現することが可能です。新たなキャリアへの第一歩として、退職代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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