退職代行の弁護士に依頼する費用は？｜相場から選び方まで徹底解説

退職を考えているけれど、会社との交渉に不安を感じていませんか？弁護士による退職代行サービスは、法的保護のもとで安全な退職を実現できる選択肢です。しかし、退職代行で弁護士に頼ると費用面が心配になりませんか？

本記事では、弁護士に退職代行を依頼する際の費用相場から、選び方、そして退職までの流れまでを徹底解説します。

1．退職代行で弁護士に依頼するメリット

弁護士による退職代行サービスは、一般の退職代行サービスと比較すると費用は高額になりますが、その価値は大きく異なります。

法的な専門知識を活かした確実な交渉、違法行為への適切な対応、将来的なトラブル防止など、包括的な保護を受けることができます。

以下では、弁護士に退職代行を依頼する具体的なメリットについて詳しく解説していきます。

法的な専門知識による確実な交渉が可能

弁護士による退職代行では、労働法規に基づいた専門的な知識を活かした交渉が可能です。

労働基準法や労働契約法などの関連法規を熟知した弁護士が、あなたの立場に立って交渉を進めていきます。

例えば、退職時の権利関係について、法律の専門家として会社側と対等に交渉できるため、不当な要求や条件を押し付けられるリスクを大幅に低減できます。

また、就業規則や労働契約の内容を精査し、退職時に受けられる権利を最大限確保することも可能です。これには未消化の有給休暇の買い取りや、残業代の精算なども含まれます。

違法行為への適切な対応と証拠保全

職場でハラスメントや違法行為が発生している場合、弁護士は証拠の収集から保全まで、法的な観点から適切な対応を行います。

具体的には、ハラスメント行為の記録方法や、違法な労働条件の証拠化など、将来的な訴訟に備えた対応を専門的な知見に基づいて進めていきます。

将来的なトラブル防止と法的保護

退職後のトラブルを防ぐため、弁護士は必要な法的文書の作成と確認を行います。退職合意書の作成では、将来的な紛争を防ぐための条項を適切に盛り込み、両者の権利義務関係を明確にします。

また、会社側との間で、秘密保持契約や競業避止義務など、退職後の制約について適切な範囲を設定することも重要な勤めです。

メンタルヘルスケアの観点からの支援

弁護士による退職代行では、法的サポートに加えて、クライアントのメンタルヘルスにも配慮したサポートを提供します。退職のストレスや不安を軽減するため、状況に応じて医療機関との連携や、カウンセリングの紹介なども行います。

2．弁護士以外の人が法律事務を行った場合は非弁行為に当たる

退職代行サービスを選ぶ際に重要な法的観点として、「非弁行為」の問題があります。

弁護士法第72条では、弁護士資格を持たない者による法律事務の取り扱いを禁止しており、これに違反すると刑事罰の対象となります。

（非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止）
第七十二条弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

参考：e-GOV法令検索

このため、一般の退職代行業者には業務上の重要な制限が存在します。

以下では、非弁行為の具体的な内容と、一般の退職代行業者が行える業務の範囲について詳しく説明します。

一般退職代行業者の業務制限

一般の退職代行業者には、以下のような厳格な制限があります。

業務内容	一般退職代行	弁護士退職代行
退職の意思伝達	○	○
法的助言提供	×	○
労働条件交渉	×	○
退職金計算・請求	×	○
訴訟対応	×	○

この表を見ても、一般の退職代行業者にできることには限りがあります。その代わり費用が安く済むところが利点と言えるでしょう。

3．弁護士による退職代行の費用相場

退職代行に弁護士を依頼する際の費用は、多くの人が最も気になるポイントの一つです。退職代行での弁護士費用体系は事務所によって異なり、案件の複雑さによっても変動します。

その上で一般的な料金の目安から、追加料金が発生するケースまで、弁護士による退職代行にかかる費用について詳しく解説していきます。

適切な費用計画を立てる際の参考にしてください。

一般的な料金体系と費用の内訳

弁護士による退職代行サービスの費用体系は、案件の複雑さや状況によって異なりますが、基本的な構造は以下の通りです。

費用項目	金額範囲	支払いタイミング
初回相談料	30分5,000円～1万円（無料の場合もあり）	相談時
着手金	150,000-300,000円	契約時
成功報酬	退職金の10-20%	退職完了後
日当	50,000-100,000円	出廷・交渉時

着手金と成功報酬の仕組み

着手金は事案の複雑さによって変動します。パワハラや違法行為が絡む案件、複数の法的問題が存在する場合などは、より高額になる傾向です。

成功報酬は主に退職金の交渉や未払い賃金の請求が成功した場合に発生し、獲得額に応じて算定されます。

追加料金が発生するケース

複雑な労働問題が絡む場合、以下のような追加費用が発生する可能性があります。

• 訴訟に発展した場合
• 退職金交渉が必要な場合
• 残業代請求が必要な場合
• 複数回の交渉が必要な場合

追加対応内容	概算費用	備考
訴訟対応	300,000円〜	着手金として
残業代請求	獲得額の20-30%	成功報酬として
追加交渉	30,000円〜/回	交渉回数による
書類作成	20,000円〜/件	内容による

4．一般の退職代行会社との費用比較

サービス内容の違いと費用差

一般退職代行と弁護士退職代行のサービス内容を詳細に比較すると、以下のような違いがあります。

法的保護の有無による価値の違い

法的保護の面では、弁護士による退職代行は以下のような優位性があります。

この優位性こそ、退職代行の弁護士費用は高く設定されているのです。

退職代行での弁護士費用対効果の詳細分析

弁護士による退職代行は、一般の退職代行サービスと比べて初期費用は確かに高額です。

しかし、その投資に見合う価値があるのかを、単純な金額比較だけでなく、総合的な観点から検討する必要があります。

費用対効果を詳細に分析すると、まず交渉力の面では、弁護士は法的な専門知識を背景に会社側と対等な立場で交渉することができます。

また、保護される権利の範囲も広く、労働関連法規に基づいた包括的な権利保護を受けることが可能です。将来的なリスク対策という観点では、適切な書面作成や法的手続きにより、退職後のトラブルを未然に防ぐことができます。

さらに、法律の専門家が代理人として対応することで得られる精神的な安心感も、重要な価値の一つと言えるでしょう。

5．弁護士に退職代行を依頼すべき状況

退職代行サービスにおいて、弁護士への依頼が特に推奨されるケースがいくつかあります。

単なる退職の意思伝達だけでなく、パワハラや違法行為の存在、退職金交渉の必要性、メンタルヘルスの問題など、専門的な法的対応が求められる状況では、弁護士による支援が大きな価値を発揮します。

ここでは、弁護士への依頼を検討すべき具体的な状況について見ていきましょう。

パワハラ・違法行為が存在する場合

職場でのハラスメントや違法行為は、単なる退職以上に専門的な対応が必要となります。

弁護士による介入が特に効果を発揮するケースとして、以下のような状況が挙げられます。

ハラスメント種別	具体例	弁護士対応
パワハラ	過度な叱責、孤立化	証拠収集と法的対応
セクハラ	不適切な言動、強要	プライバシー保護
マタハラ	降格、退職強要	男女雇用機会均等法による保護
その他	暴言、脅迫などの犯罪被害	刑事告訴の可能性検討

退職金や未払い賃金の交渉が必要な場合

金銭的な問題が絡む場合、弁護士による専門的な計算と交渉が重要です。

退職金の適正計算

退職金規程の確認から、勤続年数や職位に応じた正確な計算を行います。会社側の計算に誤りがある場合も、法的根拠を示して適切な金額を主張できます。

未払い残業代の請求

タイムカードや業務記録を基に、未払い残業代を正確に計算します。労働基準法に基づく割増賃金の請求も可能です。

請求項目	算定方法	時効期間
通常の賃金	契約給与額	3年
残業代	時給×1.25～1.5	3年
退職金	規程による	5年

会社との交渉が難航している場合

退職交渉が難航するケースでは、以下のような段階的アプローチを取ります。

• 退職を複数回拒否されている
• 引き留めが強引である
• 退職条件で折り合いがつかない
• 上司との関係が著しく悪化している

交渉段階	対応内容	期間目安
初期対応	退職意思の明確な通知	1-2週間
中間交渉	条件調整と協議	2-4週間
最終段階	合意書作成と締結	1-2週間

メンタルヘルスの問題がある場合

精神的な不調を抱えている場合、以下のようなサポートを提供します。

1. 医療機関との連携 必要に応じて診断書の取得や通院歴の記録化を行い、法的な保護を受けられるようにします。
2. 段階的な退職プロセス 体調に配慮した退職スケジュールの設定や、休職制度の活用を検討します。

6．信頼できる退職代行の弁護士の選び方

退職代行を依頼する弁護士を選ぶ際には、いくつかの重要な確認ポイントがあります。労働問題に関する専門性や経験、料金体系の透明性、そして実際のサービスの質など、総合的な評価が必要です。

適切な弁護士を選ぶことは、退職プロセスを円滑に進める上で極めて重要となります。

以下では、信頼できる弁護士を選ぶための具体的なポイントについて詳しく解説していきます。

労働問題の専門性を確認するポイント

信頼できる弁護士を選ぶ際は、まず労働問題の取扱件数を確認しましょう。具体的な退職代行の実績数も、その弁護士の経験値を判断する重要な指標となります。

また、労働審判の経験を持っているかどうかも、専門性を測る上で重要なポイントです。

さらに、労働問題を専門分野として明確に掲げているかどうかも、その弁護士の専門性を判断する際の重要な判断材料となるでしょう。

料金体系の透明性をチェック

料金体系の透明性を評価する際は、まず初回相談から成功報酬まで、全ての費用項目が明確に提示されているかを確認しましょう。

また、案件が複雑化した場合など、どのような状況で追加費用が発生する可能性があるのか、その具体的な説明がなされているかどうかも重要なチェックポイントとなります。

信頼できる弁護士は、これらの費用に関する情報を明確かつ分かりやすく説明してくれるはずです。

相談時の対応と実績を確認

弁護士選びにおいて、初回相談での対応の質も判断材料となります。

具体的には、相談者の話をしっかりと聞き、状況を正確に理解しようとする姿勢や、コミュニケーションの丁寧さを見てみましょう。

また、過去の退職代行における成功事例の有無や具体的な解決実績も確認しておきたいポイントです。

さらに、可能であれば過去の依頼者による評価やレビューも参考にすると、より信頼できる弁護士を選ぶことができるでしょう。

7．弁護士による退職代行への依頼から退職までの流れ

弁護士運営の退職代行を利用して退職するまでの流れは凡そ以下のようになります。

具体的な交渉プロセス

退職交渉は通常、３つの段階を経て進行します。

退職完了までの標準的な期間

退職完了までにかかる期間は案件の性質によって大きく異なりますが、通常の退職案件であれば2週間から1ヶ月程度で完了することが一般的です。

一方、労働条件の交渉や退職金の調整など、複雑な要素が含まれる場合には、1～3ヶ月ほどの期間を要することがあります。

また、健康上の理由や職場環境の著しい悪化など、特別な事情がある場合には、即日退職という選択肢も状況に応じて検討することができるでしょう。

退職後のフォローアップ

退職後のフォローアップは大きく二つの側面から行われます。

まず、重要書類の確認と保管に関するサポートでは退職証明書の内容を細かく確認し、離職票の取得手続きの支援です。

また、これらの重要書類を適切に保管するための具体的なアドバイスも提供しています。

さらに、退職後の新たなステップに向けたサポートでは、転職活動に関する実践的なアドバイスの提供や、失業保険の申請手続きのサポートを行います。

また、必要に応じて次の就職先への紹介状なども作成し、円滑な転職活動をバックアップしていきます。

8．おすすめの弁護士運営の退職代行サービス5選

ここからは、実際に退職代行サービスを提供している信頼できる弁護士事務所を紹介します。

豊富な実績、料金の透明性、アフターフォローの充実度など、様々な観点から厳選した5つの事務所について、各々の特徴や強みを詳しく解説していきましょう。

フォーゲル綜合法律事務所｜弁護士退職代行のパイオニア

フォーゲル綜合法律事務所は、退職代行実績1万件以上を誇る、業界のパイオニア的存在です。

嵩原安三郎弁護士を中心に、全国対応が可能で、24時間LINEでの相談受付に対応しています。

料金体系も明確で、LINE友達登録で通常33,000円の費用が25,000円になるなどリーズナブル。

分割払いにも対応し、有給消化や残業代請求でも追加費用は発生しません。

特に「円満退職あんしんプラス」コースでは、退職後の損害賠償請求への対応まで含まれており、安心感の高いサービスを提供しています。

また、多数のメディア出演実績があり、労働問題の専門家として高い信頼を得ています。

弁護士法人みやび｜条件交渉・訴訟・裁判のサポートまで対応可能

弁護士法人みやびは、企業法務から個人案件まで幅広い経験を持つ法律事務所です。

退職代行サービスでは、すべての対応を弁護士が直接行うことにこだわり、事務員任せにしない高品質なサポートを提供しています。

料金体系は27,500円から明確で、追加料金は金銭請求の成功報酬（20%）以外発生しません。

特筆すべきは、多くの事務所が3ヶ月程度で終了するアフターフォローを無期限で提供している点です。

また、24時間体制でLINEやメールでの相談に対応しており、女性弁護士も多数在籍していることから、安心して相談できる環境が整っています。

弁護士ビーノ/弁護士法人mamori｜8万人が支持する退職のプロフェッショナル

弁護士法人mamoriで活躍する日比野大弁護士は、TikTokやYouTubeなどのSNSで「弁護士ビーノ」として労働問題について情報発信を行い、総フォロワー数約8万人を誇る人気弁護士です。

退職代行サービスでは明朗会計を掲げ、一律66,000円（税込）の固定料金で対応。

退職金請求や有給消化の交渉も含め、追加料金は一切かかりません。

特徴的なのは、基本的なやり取りをすべてLINEで完結できる利便性の高さです。

また、YouTubeでの情報発信により親近感があり、初めて弁護士に相談する人でも気軽に依頼できると好評を得ています。

弁護士法人若井綜合法律事務所｜5名の弁護士が即日対応、追加費用なしの明朗会計

弁護士法人若井綜合法律事務所は、弁護士5名、司法書士1名を擁する総合法律事務所として、豊富な就労問題の経験を持っています。

退職代行サービスは50,000円（税抜）の明朗な料金設定で、追加費用は一切発生しません。

特筆すべき強みは、未払い賃金請求や損害賠償請求など、法的トラブルが発生した場合の対応力です。

東池袋に拠点を置き、メール・LINE・電話での24時間相談受付に対応。

パワハラや暴言など深刻なケースにも豊富な解決実績があり、依頼者の権利を守る姿勢が特徴です。

法律事務所リーガルスマート｜来所不要の労働問題解決

労働問題の専門チームを有する法律事務所リーガルスマートは、年間8,500件を超える相談実績があり、徹底した顧客視点のサービスで92.7%という高い顧客満足度を誇ります。

相談料は初回60分無料で、一部案件では着手金0円プランも用意。

電話やLINE、ビデオ通話など、多様なコミュニケーション手段に対応し、来所不要で相談できる点も特徴です。

所属弁護士全員が外部専門家による継続的な指導を受け、専門性と親身な対応を両立。

退職代行の基本料金は着手金・事務手数料・報酬金を含め176,000円から対応しており、パワハラ解決で80万円の慰謝料獲得、未払い残業代900万円の回収など、具体的な解決実績も豊富です。

費用面では利益を上回る報酬を請求しない方針で、安心して依頼できます。

9．弁護士運営の退職代行は費用対効果絶大！安心して退職しよう

弁護士による退職代行は、一般の退職代行サービスと比べて費用は高くなりますが、法的保護や専門的な交渉力など、重要なメリットがあります。特にパワハラや違法行為が存在する場合、退職金交渉が必要な場合には、弁護士への依頼を強く推奨します。

信頼できる弁護士を選ぶ際は、労働問題の専門性、料金体系の透明性、対応の質などを総合的に判断することが重要です。

初期費用はそれなりにかかりますが、未来への投資として、安全で確実な退職を実現しましょう。