「退職代行を使うと、周りに非常識だと思われるのかな…?」
「自分が退職代行を使うことで、今の職場の人に迷惑がかかるかもしれない…」
上記のように、退職代行を使うことを負い目に感じている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
- 退職代行を使うことは非常識ではない
- 退職代行を使ってでも退職することを検討したほうがいい職場の特徴
- こんな体の反応があったら、今の職場は要注意
1.退職代行を使って辞めることはクズで非常識なのか
結論として、退職代行を利用して仕事を辞めることは、非常識でもクズな行為でもありません。クズと言われてしまう理由や、退職代行の正当性については後述しますが、利用される方は個々の事情を抱えており、悩み抜いた末に退職代行を依頼しています。
仕事に対する考え方や世代間による価値観の違いから「退職代行を使うなんてあり得ない」「自分勝手に辞めるなんて非常識だ」という意見を持つ方もいます。
退職代行を利用することで、そのような考えを持つ社員との関係が悪くなってしまう可能性は考えられますが、そもそも労働者には「職業選択の自由(憲法22条)」が認められており、自らの意思で就職したり、会社を辞めたりすることができるのです。
2.退職代行が「クズ」と誤解される3つの理由
近年耳にすることが多くなった退職代行は、新しい退職プロセスのひとつであり、未だサービスについてマイナスなイメージを持っている人もいます。
ここでは「クズ」だと誤解されてしまう理由について3つ取り上げます。ご自身が退職代行を利用される際には、下記のような誤解されやすい点に対してどのようにサポートしてくれるのかについて確認しておくと安心です。
①一方的な退職となってしまう可能性があるため
企業といえども運営するのは人間であり、いきなり関係を断つことになると非常識であるという印象を持たれてしまう面はあるかもしれません。そのため、事前に上司や同僚に相談しなかったり、挨拶せず即日退職したりすることが、信頼関係を無視した行為だと捉えられ、不快に思われる可能性があります。
しかし、退職代行を希望する方はそもそも職場環境に辟易していたり、人間関係が悪化していたりして、自分だけではどうしようもできない状況に陥っている場合も多いです。
退職代行は、たとえ一方的な退職となってしまっても、一刻も早く職場から離れられることで、心の安寧を得られるという利点があります。
② 通常の退職との違い
退職したい場合、まず直属の上司に退職の意向を示し、辞める理由や時期、引き継ぎ事項など面談を重ねて決めていくのが一般的な流れです。退職代行はその手順を踏まずに、退職の意思を伝えることになるため少し印象が変わってくるのです。
特に「大事な話は直接伝える」という価値観も根強いため、会社側が「なぜ、本人が直接相談しに来ないのか」と困惑してしまうことも多々あります。
加えて、若年層とミドル層との間にある企業への信頼度の違いや、仕事に対する価値観の違いといったものも存在するため、どうしても退職代行への抵抗感が拭えない世代がいるのも事実です。
③残された社員に負担がかかる
突然の退職は、荷物・備品が残されたままであったり、引き継ぎが十分にできなかったりするケースも多くあります。
退職後の片付けや仕事の整理、滞った業務の遂行は残された社員が負担することになるため、この時点で突然の退職にマイナスの印象を抱かれてしまう可能性が高いです。
社員1人が退職しても、企業活動は続いていくわけですから、1人分の業務は残された社員に分配されることになります。加えて、引き継ぎがない状態であれば通常よりも負荷がかかると予想できます。
ただし、残された業務をどのように進めていくのか、また足りない人員をどのように補填するのかを考える役目は会社側にあります。「これ以上会社にいると、心身が壊れてしまう」と感じている場合は、会社にかかる負担よりもご自身の体調や意思を優先すべきでしょう。
3.退職代行の利用はクズじゃない!5つの正当な理由
退職代行を利用したいけれど躊躇している方の多くは「退職代行は違法なのではないか?」「利用したことを非難されるのではないだろうか」といった不安を感じているはずです。
最初に述べましたが、退職代行を利用するのはけっしてクズな行為ではありません。ここでは、退職代行の利用が問題ないと言える5つの理由について説明します。
①劣悪な労働環境からの脱出手段
「長時間労働の強要や休日を与えない」「いざ就職したら、聞いていた業務内容や雇用条件と違った」などいわゆるブラック企業などの体制に問題のある会社は、退職したくても日々の仕事に忙殺され抜け出せなくなってしまうケースがあります。
また、相談できる部署や担当者を置いておらず、誰に退職を伝えるべきなのかわからないといったことも考えられます。
そのような劣悪な労働環境から脱するためには、退職代行サービスに会社と自分自身の間に入ってもらい、きちんと退職できるように手続きを進めてもらう必要があります。
②退職を伝えるべき人が怖い
直属の上司や人事担当者が感情的であったり、圧をかけてくる人だったりして大事な話を言い出せないということも考えられます。そのような上司などとの人間関係に悩んで辞めたいと思っている人もいるはずです。
「退職を言い出せない」という場合においては、退職代行から自分自身の意思を伝えてもらうことで、退職に向けた一歩を踏み出すことができます。
総じて、退職代行で、自分の労力を過度に消費する相手となるべく関わらずに退職する道筋が描けるでしょう。
③退職を受理せず過度な引き止めを受けている
退職の意思を示した後に上司などと面談することが一般的ですが、それが複数回続いたり、結論を先延ばしにされたりしてなかなか退職日が決まらないといったケースもあります。
もし、次の就職先が決まっていたり、一刻も早く職場を去りたいと感じていたりすると、長い間話がまとまらないことが更なるストレスや悩みの種となってしまいます。
自分の法的権利や意思はしっかりと保ちながら、スムーズに退職したいと考えている方は、専門家や退職代行サービスに積極的に頼ることも大切です。
④メンタルヘルスの保護
「退職の話を切り出す」からスタートして「納得してもらえるように説得する」「細かい引き継ぎを行う」など退職するまでの一連の行動は、想像以上に心身ともに負荷がかかります。
身体の不調を抱えている場合、退職へのプロセスでストレスが溜まり、体調が悪化してしまう可能性があります。さらに、職場でパワハラやセクハラなど、ハラスメントの被害者であるのなら、今すぐにでも環境を脱して自分を守るべきです。
退職代行は、ご自身にかかる負担やストレスを軽減してメンタルヘルスを保護するといった観点からも役立ちます。
⑤退職代行を利用せざるを得ない場合もある
残念ですが、世の中には社員を「業務内容が過酷で、もはや退職する体力・気力さえない」といった状態で働かせている企業もあります。
また、心身の不調によって、職場の人に電話することさえできないといった状態に陥ることもあります。
このような状況を長引かせても根本的な解決にはならないため、自分1人で抱え込まずに、退職代行を使ってすぐに辞められるように手続きすることをおすすめします
4.退職代行を使うメリット
退職代行を利用することによって、退職相談や面談、業務改善、過度な引き継ぎ・引き止めなどの負担が減り、精神的な負荷も減らすことができます。
そうするとご自身の今後について余裕を持って考えられたり、少しの暇を得ることで前向きになれたりするかもしれません。また、自分が把握しきれない法的権利などをカバーしてくれるところも魅力です。
突然居なくなる(バックレる)より全然いい
バイトや社員など雇用形態に関わらず、「休憩に出たきり帰って来なくなった」や「週明けから急に来なくなってしまった」というエピソードは少なくありません。
バックレることは、懲戒解雇扱いになってしまう可能性もあり、企業側から訴えられる危険もあります。退職代行できちんと対応してもらうことは、自分に不利益が被る危険を回避することにもつながります。
未払い給与の交渉など自分では対応できない事もある
退職においては、「退職日以前の給与がどれくらい支払われるのか」「交通費は満額か、あるいは差し引かれるのか」といった金銭面について交渉しなければならないこともあります。
本来は企業が対応してくれていたことを個人で対応し、また法律のことまで調べる必要があると難易度が上がってしまいます。
退職代行サービスの中には弁護士の監修を受けているところもあり、現状を相談しながら費用面も含めて、弁護士対応なども検討できるところも利点です。
退職金や有給などの権利もしっかり得られる
有耶無耶になりがちな有給休暇の消化や退職金の権利について、自分から言い出しにくいという方も多いと思います。退職代行では退職にかかる連絡や手続きだけではなく、このような労働者の正当な権利を行使した上で退職できるようにカバーしてくれるところもあります。
自分の権利を正しく把握するのと同時に、1人で対応できない分野は専門家に依頼することで、退職後の生活の不安を軽減することも見込めます。
退職代行サービスのメリットは、利用する人によっても異なります。退職代行を利用することによって、どのようなメリットが自分にがあるのかを確認した上で、検討することをおすすめします。私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行のメリット」の記事はこちらからご確認できます。
5.あなたは大丈夫?体のSOSサインチェック
退職代行を利用しようか迷っていることは、すなわち今働いている会社を何とかして辞めたいと考えている最中なのだと思います。
「もう少し、がんばれるかもしれない」「私はまだ大丈夫だ」と思っていても、実は精神的に追い詰められているということもあります。適切なタイミングで退職しなければ、自分に負荷をかけすぎて転職もままならなくなってしまう可能性もあります。
ここでは、体からの4つのSOSサインについて解説します。ぜひ、ご自身の体の声に耳を傾けてみてください。
会社について考えるだけで体調を崩す
朝起きた時、夜寝る前、仕事や会社のことを考えると憂鬱になることは多いです。
しかし、そのことが原因で胃痛や頭痛、倦怠感や不眠・過眠など体調に影響が出てしまう場合はありませんか。精神的にだけでなく身体に負担がかかると、退職した後も健康に働き出すことが困難になります。
ふと涙が勝手にこぼれる
自分の感情とは裏腹に勝手に涙が溢れることは、キャパオーバーを迎えているSOSかもしれません。自身のコントロールが上手くいかないことで、さらに負荷をかけてしまうことも考えられます。
この状態をそのまま放っておくと、より心身に不調をきたす可能性があるので、何らかの対応が必要です。
職場の最寄り駅で下車ができない
職場が近づくにつれ呼吸が浅くなったり、駅で降りられなくなったりする状態は心身に疲れが溜まっている状態です。その状態を放っておくと、うつ病につながる可能性があります。
何日も続くようであったり、自分でも限界だと感じてしまったりする時は退職も視野に入れながら休暇を取る、あるいは病院で相談することも大切です。
通勤経路を通れない
いつもの道が自分にとって恐怖やプレッシャーの対象となることもあります。そのため、通勤経路を上手く進めないといった状態に陥ってしまうのです。
また、自覚がなくとも、会社に近づくにつれ足がすくんだり、動悸が激しくなったりと異変を感じる場合もあります。このような兆候がある方はストレスが心身に影響を与え始めており、注意が必要だと考えられます。
6.まとめ
退職代行を使って会社を辞めることはクズではありません。退職代行を使うかお悩みの方の多くは、会社側に問題があり、退職を考えたり、退職を直接伝えにくかったりします。
ご自身を悲観しすぎず、まずは気軽に退職代行業者にご相談してみることをおすすめいたします。
私たち編集部が2024年12月にリサーチした80個近い退職代行サービスの中から厳選した、「おすすめの退職代行サービス10選」はこちらからご確認できます。