SES企業での退職を考えているエンジニアの方の中には、「客先に迷惑をかけるから辞められない」「契約期間があるから損害賠償を請求される」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SESエンジニアの退職代行サービス利用について、法的根拠から具体的な手順、おすすめの退職代行サービスまで、安全な退職のためのポイントを徹底解説します。
- SESエンジニアが退職代行を利用できる法的根拠と一般的な誤解の真相
- SES特有の状況に対応できる信頼性の高い退職代行サービス5社の特徴と料金
- 損害賠償のリスクを避けながら、安全に退職するための具体的な準備と手順
1.SESでも退職代行が利用できる理由と法的根拠

退職の自由は法律で保障されている
結論から申し上げると、SESエンジニアであっても退職代行サービスを利用して退職することは完全に可能です。その最大の根拠となるのが、民法で定められている「退職の自由」です。
民法第627条では、以下のように規定されています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
つまり、期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員)の場合、労働者には退職の自由が法律で保障されているのです。
SESの退職における5つの誤解を詳しく解説
1.「常駐先との契約があるから簡単には辞められない」という誤解
雇用契約は自社とエンジニアの間にのみ存在し、常駐先との契約は自社の責任範囲となります。そのため、エンジニア個人が常駐先との契約に縛られることはありません。
2.「引き継ぎが完了するまでは退職できない」という誤解
引き継ぎは望ましいものの、法的な義務ではありません。トラブルを避けるために、合理的な範囲での引き継ぎ資料の作成を行えば十分です。
「次の担当者との対面引き継ぎができていないから、退職は認められない」といった不当な引き止めや、「引き継ぎがうまくいかないと損害が発生するかも…」といった脅しに応じる必要はありません。
3.「客先に迷惑をかけるから損害賠償を請求される」という誤解
労働基準法第16条により、労働契約の不履行に対する損害賠償の予定は禁止されています。また、通常の退職による業務の中断は、損害賠償の対象とはなりません。
つまり、エンジニア個人との労働契約の解消については自社が客先に対して責任を負うことになりますが、損害賠償を請求される恐れはなく、自社の責任で後任を探し、労働の継続を維持を目指すだけです。
4.「期間の定めのある契約だから途中で辞められない」という誤解
セクハラ、パワハラや精神疾患など、やむを得ない事由がある場合は、有期雇用契約でも中途解約が可能です。心身の健康上の理由や、職場環境の著しい悪化などが該当します。
5.「自社と客先の契約更新のタイミングまで待つ必要がある」という誤解
客先との契約更新のタイミングは、退職の権利行使とは無関係です。自社に対し、法定の予告期間(2週間)を満たせば、いつでも退職が可能です。
SESで退職代行はダメ?誤解が生まれる背景と法的な事実を徹底解説
誤解①:常駐先との契約について
SES企業では、「客先との契約があるから」という理由で退職を思いとどまらせようとするケースがありますが、これは法的根拠のない主張です。契約の当事者は以下の通り明確に分かれています。
- SES企業と客先:業務委託契約
- SES企業とエンジニア:雇用契約
- エンジニアと客先:契約関係なし
したがって、客先との契約を雇用契約の維持の理由にすることは、根本から間違っています。
誤解②:引き継ぎの義務について
円満な退職のためには適切な引き継ぎが望ましいものの、それは法的義務ではありません。一般的には以下の対応で十分とされています。
- 現在担当している業務の概要書の作成
- 必要な資料やデータの整理
- アクセス権限や貸与物品のリストアップ
アクセス権限とパスワードなど、業務上必要不可欠な機密情報を自分だけが保持していて開示しないなど、他者が同じ業務を引き継ぐことができない状態を招くと、トラブルの原因となるので注意しましょう。
顔を合わせて引き継ぎをしなければならない、作業の引き継ぎに何時間割かなければいけないといった決まりはなく、引き継ぎ資料が残っていれば問題なし、という認識で構いません。
誤解③:損害賠償請求の可能性について
労働基準法第16条は、明確に以下を禁止しています。
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
法律で賠償の予定を決めることを禁じていますから、通常の退職を理由とした損害賠償請求は当然認められません。
誤解④:有期雇用契約の退職について
有期雇用契約であっても、以下の場合は中途解約が認められます。
- 精神的・身体的な健康上の理由がある場合
- ハラスメントなど、労働環境の著しい悪化がある場合
- 契約内容と実際の業務に大きな乖離がある場合
誤解⑤:契約更新と退職のタイミングについて
自社と客先の契約更新タイミングは、個々の労働者の退職の権利とは無関係です。以下の点に注意すれば、タイミングを気にする必要はありません。
- 法定の予告期間(2週間)を遵守する
- 退職届など必要書類を適切に提出する
- 会社の規定に沿った手続きを踏む
退職の2週間前に正しく申し出れば、客先との契約更新のタイミングとは関係なく、SESエンジニアの退職は叶います。
SESエンジニアの退職についてはいろいろな誤解がありますが、実際は法律で十分に保護されており、退職代行サービスを利用して円満に退職することが可能です。
ただし、退職時には最低限の礼儀や手続きを守り、専門家のサポートを受けることで、よりスムーズな退職を実現できます。
2.SESエンジニアが退職代行を利用するメリット

客先・自社との面倒な調整が不要になる
SESエンジニアの退職は、一般の会社員と比べて調整すべき関係者が多く、より複雑になりがちです。退職代行を利用することで、以下のような面倒な調整をすべて代行してもらえます。
- 自社の上司や人事部門との退職交渉
- 客先担当者への連絡と調整
- プロジェクトマネージャーとの引き継ぎスケジュール調整
- 退職に関する書類作成と提出手続き
特にSES企業では「人材が商品」という特性上、会社側が強く引き止めを図るケースが多く見られます。退職代行サービスを利用することで、このような心理的負担の高い交渉を回避することができます。
メンタルヘルスの保護と即日退職の実現
SES特有の以下のような状況で精神的な負担を感じている場合、退職代行による即日退職も検討できます。
例1:過度な責任を一人に集中させられている
- 未経験の技術での単独作業を強いられる
- チーム体制なしでの重要システム保守を任される
例2:客先と自社の板挟みによるストレス
- 客先からの要求と自社の方針の矛盾
- 両者からの相反する指示への対応
例3:スキルアップの機会が限られている
- 古い技術の使用を強要される作業が続く
- 技術研修や学習時間が確保できない
このような状況下でメンタルヘルスに不安を感じる場合、法で定められている2週間前ではなく、退職代行サービスを通じて即日での退職意思表示や、有給休暇を活用した実質的な即時退職も可能です。
なお、精神的ストレスを証明するには、医師の診断書等を活用した正当な退職理由の提示がおすすめです。
有給消化と退職金の適切な処理
SES企業での退職において特に重要となるのが、有給休暇の消化と退職金の適切な処理です。退職代行サービスは以下のような交渉と手続きを代行します。
有給休暇の取得交渉
- 退職までの期間における有給消化の調整
- 未消化有給の買い取り交渉
- 休暇取得に関する客先との調整
退職金関連の処理
- 退職金の計算確認と交渉
- 割増賃金の精算確認
- 社会保険関連の手続き
各種精算業務
- 交通費等の経費精算
- 社有物の返却手続き
- 各種アカウントの解約手続き
特にSESエンジニアの場合、客先常駐による交通費や手当の精算が複雑になりがちですが、退職代行サービスが細かい確認と交渉を行ってくれます。
これらに加えて、多くの退職代行サービスでは以下のようなアフターフォローも提供しています。
- 転職エージェントの紹介
- 失業保険の申請サポート
- 将来的な労働トラブル対策の助言
SESエンジニアにとって退職代行サービスの利用は、複雑な退職手続きを専門家にまかせることで、心理的負担を最小限に抑えながら、確実に権利を守る手段として有効です。
特に若手エンジニアや、初めての転職を考えている方にとって、安全で確実な退職を実現する強力な支えとなります。
退職代行サービスのメリットは、利用する人によっても異なります。退職代行を利用することによって、どのようなメリットが自分にがあるのかを確認した上で、検討することをおすすめします。
私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行のメリット」の記事はこちらからご確認できます。
3.退職代行で損害賠償請求されるリスクと対策

SES特有の損害賠償懸念を徹底検証
SESエンジニアが退職代行の利用を躊躇する最大の理由の一つが、損害賠償請求への不安です。特にSES特有の以下のような懸念について、法的な観点から検証していきます。
退職代行利用自体のリスク
退職代行サービスを利用すること自体は、損害賠償の対象とはなりません。これは、労働者には退職の自由が法律で保障されているため、退職方法の選択は労働者の権利だからです。
客先との契約に関するリスク
ES企業と客先との契約は、エンジニア個人とは無関係です。そのため、契約途中での退職であっても、個人が賠償責任を負うことはありません。
プロジェクトへの影響に関するリスク
通常の退職による業務の中断は、損害賠償の対象とはなりません。法定の予告期間である2週間を守れば、退職のタイミングは自由に選択できます。
【注意点】
損害賠償請求される可能性がある行為については注意が必要です。たとえば退職前の意図的な長期無断欠勤や、悪意を持って行う情報漏洩、機密データの持ち出しなどです。
また、引き継ぎを完全に放棄することで重大な業務妨害を引き起こすような行為も、損害賠償請求の対象となる可能性があります。
安全な退職のための具体的な準備事項については、以下で詳しく説明していきます。
安全な退職のための具体的な準備事項
損害賠償のリスクを最小限に抑えつつ、安全に退職するための準備項目をご紹介します。
STEP1 退職前の基本準備
- 退職理由の整理と文書化
たとえば「キャリアアップのため」「健康上の理由」など、客観的で理解を得やすい理由を準備しておくとよいでしょう。
- 重要な業務の整理とドキュメント化
スムーズな引き継ぎ作業に移れるように、担当システムの概要/定期的な作業の手順/問い合わせ対応フローをまとめておきましょう。
- 会社貸与物品のリスト作成
PCやタブレット/アクセスカード/各種アカウント情報など。
引き継ぎ書の作成時になって慌てないよう準備することが大切です。機密情報の扱いに留意しながら、安全に後任者に引き渡せるようにリスト化しておきましょう。基本的な退職の事前準備が整い、スケジュールの目途が立ったら引き継ぎ資料の作成に移ります。
STEP2 引き継ぎ資料の準備
- 基本情報のドキュメント化
システム構成図/アクセス権限一覧/定期メンテナンス手順など、聞かれそうなことに漏れがないようにまとめておきます。
- トラブル対応履歴の整理
たとえば、過去の主要な障害対応記録/よくある問題と解決方法/注意が必要なポイントなどをまとめておくと親切です。
引き継ぎ資料をまとめておくことで「あれってどうすればいいの?」と、退職後にダラダラ会社から連絡が来るのを未然に防ぐことができます。引き継ぎ準備が終わったら、以下のポイントに留意しながら退職を進めましょう。
STEP3 退職時の適切な対応
- 法定期間の遵守
原則として退職の2週間前までに退職届を提出します。また、退職に際して何か特別な会社規定が存在していないかを確認しましょう。
- 適切な引き継ぎの実施
作成した引き継ぎ資料の説明を行ったり、IDパスワードなど重要事項の確実な伝達を行いましょう。
退職代行を利用する場合は、退職に関する社内規定等について相談することが可能です。
引き継ぎ資料については、退職後に問い合わせが来ることがないよう、事前に説明や質疑応答の時間を設け、対応するのが望ましいでしょう。
STEP4 退職後の留意事項
- 守秘義務の継続
退職後も守秘義務は継続するため注意しましょう。機密情報の取り扱いはもちろん、近年SNSによるトラブルも増えています。
- 返却物の確認
PC等の電子機器類など、会社からの貸与品がある場合は適切に返却しましょう。貸与品リストを作成し、返却後は返却証を受領するとトラブルを避けられます。
- アカウントの削除
不正使用等トラブルを避けるために、アカウントの削除を徹底しましょう。
退職後も業務上知りえた機密情報に関しては守秘義務が継続するため、機密情報の取り扱いには十分注意しましょう。また、SNSでの言及にも制限があるため発言には注意しましょう。
備品に関しては、特にSES企業は高額なデバイス等の貸与があることも多いため、後から返した・返さないというトラブルを避けるためにも、貸与品の返却リストを作成し、返却後は返却証を受領しておきましょう。
これらの準備を整えることで、以下のメリットが期待できます。
損害賠償リスクの最小化
適切な手続きを踏んでいることを証明できるため、トラブルが発生した際の防衛材料となります。これにより、将来的な損害賠償請求のリスクを大幅に軽減することができます。
円満退職の実現
会社との良好な関係を維持することで、将来的な不利益を回避することができます。特にSES業界では企業間のつながりが強いため、円満な退職は重要な意味を持ちます。
スムーズな転職活動
退職トラブルの懸念がない状態で転職活動を進めることができ、前職からの良好な評価も獲得できます。これは次のキャリアステップにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。
退職代行サービスを利用する場合でも、これらの準備を整えることで、より安全で確実な退職が実現できます。特にSESエンジニアの場合、客先との関係もあるため、丁寧な準備と対応が重要です。
退職代行サービスに任せれば、退職手続きは上手くいく。そう思って依頼したのに、トラブルが起きてしまった…というケースもあります。退職代行業者に問題がある場合もあれば、自分に問題がある場合もあります。
依頼後に後悔しないように、あらかじめ起きうるトラブルを知っておきましょう。私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行のトラブル」の記事はこちらからご確認できます。
4.SESに特化した優良退職代行サービス5社を徹底比較
退職代行セカステ|企業の元労務担当者がサポートするSESに強い退職代行サービス

民間企業が運営する退職代行サービス「セカステ」は、SES企業の退職の取り扱いも多く、エンジニアの退職について豊富な知識と経験のあるエージェントとして、高い評価を得ています。
料金:21,800円(税込)
特徴
- 企業の元労務担当者が親身にサポート
- 24時間365日、無料で相談が可能
- リーズナブルな価格設定
- 全額返金保証があるので安心
- 行政書士の監修があるため、退職届の作成代行も可能
退職代行ガーディアン|労働組合運営のため団体交渉力に強み

退職代行サービス「ガーディアン」は、労働組合が直接運営する信頼性の高いサービスです。
料金:24,800円(税込)
特徴
- 東京労働経済組合による直接運営
- 即日退職にも対応可能
- 有給消化など、金銭的な交渉が可能(法的交渉・訴訟対応等は不可)
- 追加料金なしの明朗会計
モームリ|アルバイトなら格安で退職が可能

退職代行サービス「モームリ」は、メディア露出にも積極的で知名度は業界No.1。身近で使いやすい退職代行サービスです。
料金:22,000円(税込)アルバイトなら12,000円(税込)
特徴
- LINE無料相談に対応
- 転職支援、メンタルクリニックの紹介、引っ越しサポートなどサービス豊富
- 何度でも相談が可能
- 労働組合と提携
退職Jobs|弁護士監修で成功率98%以上の安心サービス

退職ジョブズは民間企業運営ですが弁護士のの監修があり、法的な裏付けのある確実なサービスを提供しています。
料金:27,000円(税込)労働組合に加盟する場合は+2000円
特徴:
- 弁護士監修による安全な退職プロセス
- 労働組合との連携あり
- 24時間LINEから相談が可能
- 現金による後払い制度あり
みやび|交渉・訴訟・トラブルに強い!弁護士事務所が運営する退職代行サービス

柔軟な対応と手厚いサポートが特徴:
料金:55,000円(税込)
特徴:
- 弁護士事務所の退職代行サービス
- パワハラ、セクハラなどのトラブル対応の実績が豊富
- 有給や未払い残業代の精算など金銭的な交渉にも強い
- 損害賠償請求等もしもの事態にも手厚くサポートが可能
各退職代行サービスの選び方のポイント3つ
退職代行を選ぶ際にチェックしていただきたい3つのポイントをまとめました。
1.費用対効果
- 基本料金の比較
- 追加オプションの有無
- 支払い方法の柔軟性
2.対応範囲
- SESに関する専門知識
- 交渉可能な範囲
- アフターフォローの充実度
3.信頼性
- 運営母体の安定性
- 実績数
- 返金保証の有無
退職代行サービスの比較をする際は、料金だけで比較すると失敗する可能性が高いので注意しましょう。
依頼したいことは単純な退職代行手続きなのか、それとも会社との交渉や訴訟などトラブルに備える必要があるのかで、どこまでの対応範囲を有する先を選べばよいのかが違います。
トラブルが起きることが事前に予測できる際は、弁護士が運営するサービスを選択すると安心です。
反対に、単純な退職手続きの代行を希望している場合は弁護士の退職代行では高くなってしまうので、費用対効果が合いません。民間の退職代行サービスで十分だといえます。
退職代行サービスは、他にも多くのサービスがございます。私たち編集部が2024年12月にリサーチした80個近い退職代行サービスの中から厳選した、「おすすめの退職代行サービス10選」はこちらからご確認できます。
5.退職代行を使ったSESからの退職手順

サービス選びから退職完了までの流れ
退職代行サービス選択時の確認事項
- 料金プランと支払い方法の確認
- 対応可能な時間帯の確認
- 即日退職の可否
- 返金保証制度の有無
- SES案件での実績確認
料金プランはオプションで追加される可能性がないかを契約前にしっかりと確認しましょう。
SESエンジニアは多忙な方も多く、平日日中しか利用できない退職代行サービスでは意味をなさないことも。SES案件の実績の多い先だと話がスムーズに進むことが期待できます。

退職代行サービスが行うこと
- 退職代行サービスから会社へ退職の連絡を行う
- 退職届の作成と提出
- 退職日程の調整
- 必要に応じた即日退職手続き
完了までの流れの一例(法定である2週間前に申し出て退職する場合)
Day 1: 退職代行サービスへの相談と契約
Day 2: 会社への退職意思伝達
Day 3-5: 退職条件の調整
Day 6-10: 書類手続きと必要書類の準備
Day 11-14: 最終的な退職手続き完了
最低限必要な引き継ぎ資料の作り方
SES企業のエンジニアに必要な引き継ぎ資料と掲載内容の一例をカテゴリ別に整理しました。
引き継ぎ資料一覧表
カテゴリ | 必要書類 | 含めるべき内容 |
---|---|---|
基本情報 | プロジェクト概要書 | ・プロジェクト名と目的 ・主要ステークホルダー ・システム構成図 ・使用技術一覧 |
業務詳細書 | ・日常的な作業内容 ・定期的なタスク一覧 ・重要な締切や予定 ・注意が必要なポイント | |
システム関連 | アクセス情報管理表 | ・各種アカウント一覧 ・接続情報 ・認証情報(※パスワードは別途管理) |
運用手順書 | ・日次/週次/月次の作業手順 ・障害時の対応フロー ・バックアップ/リストア手順 | |
コミュニケーション | 連絡先管理表 | ・主要な関係者の連絡先 ・チーム内の役割分担 ・緊急時の連絡フロー |
案件進捗報告書 | ・現在の進捗状況 ・今後の予定 ・懸案事項 |
退職後の保険や給付金の手続き
■健康保険の切り替え
国民健康保険への切り替え手続き
【必要書類】
- 健康保険資格喪失証明書
- 本人確認書類
- マイナンバーカードまたは通知カード
※扶養家族がいる場合の追加手続き
- 扶養家族の保険切り替え
- 被扶養者異動届の提出
■雇用保険関連
失業給付の申請手続き
【 必要書類】
- 離職票
- 本人確認書類
- 写真2枚
- マイナンバーカード
- 銀行通帳
給付制限期間の確認
- 自己都合退職の場合の制限期間
- 特定理由による退職の場合の扱い
■年金関連の手続き
国民年金への切り替え
【 必要書類】
- 年金手帳
- 退職証明書
- 本人確認書類
■退職後に必要な市区町村での手続き
- 住所地での国民健康保険加入
- 国民年金の手続き
- 所得税の異動届
必要な書類関係を手続き別に表にまとめました。
退職後の各種手続き一覧表
手続き区分 | 手続き内容 | 必要書類 | 備考 |
---|---|---|---|
健康保険 | 国民健康保険への切り替え | ・健康保険資格喪失証明書 ・本人確認書類 ・マイナンバーカードまたは通知カード | 扶養家族がいる場合は被扶養者異動届も必要 |
雇用保険 | 失業給付の申請 | ・離職票 ・本人確認書類 ・写真2枚 ・マイナンバーカード ・銀行通帳 | 自己都合退職の場合、給付制限期間あり |
年金 | 国民年金への切り替え | ・年金手帳 ・退職証明書 ・本人確認書類 | - |
市区町村 | 各種住所地手続き | ・上記の各種書類 ・本人確認書類 | ・国民健康保険加入 ・国民年金手続き ・所得税の異動届が必要 |
退職代行は、退職手続きを代行してくれるといっても、申し込みさえすれば、あとは何もやらなくていいわけではありません。
「どのような流れで退職手続きが行われるのか」「自分は何をすればいいのか」を理解した上で、退職代行サービスを利用するようにしましょう。
私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行の流れ」の記事はこちらからご確認できます。
6.SESの退職でよくある質問と回答

契約期間中でも退職は可能か
客先との契約期間が残っている場合でも退職できますか?
はい、可能です。契約期間中でも適切な手続きを踏めば退職できます。客先との契約はSES企業との契約であり、個人の拘束事由とはなりません。
客先への迷惑は問題にならないか
退職によって客先に迷惑をかけることになりませんか?
退職は労働者の正当な権利です。通常の退職による業務への影響は損害賠償の対象となりません。また、労働契約の終了に伴う影響は企業側のリスクとして想定されています。
次の転職活動への影響について
退職代行を利用すると、次の転職に悪影響はありませんか?
適切に手続きを行えば問題ありません。社内では「自己都合退職」として扱われます。また、退職代行の利用は個人情報の一つとして保護されるため、新たな就職先に開示される恐れはありません。
転職の面接時には「キャリアアップのため」など一般的かつ前向きな退職理由を説明すれば足りるでしょう。
7.SESエンジニアが退職代行を安全に利用するコツまとめ

ここまで見てきたように、SESエンジニアが退職をする場合にも退職代行サービスは利用できます。そして、トラブルを避けて退職手続きを成功させるには3つのポイントがあります。
■1.計画的な準備を行う
- 十分な準備期間を確保
- 必要書類の事前準備
- 引き継ぎ資料の作成
■2.適切なコミュニケーションをとる
- 退職代行サービスとの密な連携
- 必要に応じた情報提供
- 手続き状況の確認
■3.将来を見据えて行動する
- 退職後の手続きの確認
- 次の就職に必要な準備
- スキルアップ計画の策定
以上3点に注意を払うことで、退職代行を利用しながら次のキャリアへスムーズに移行が可能です。
特にSES業界では技術力と実績が重視されるため、退職方法よりも自身のスキルアップと実績作りに注力することが重要です。
退職代行サービスは、SESエンジニアが安全かつ確実に退職するための有効な手段です。まずは退職代行サービスの無料相談を活用し、専門家のアドバイスを得ることをおすすめします。
また、エンジニア就活についてお考えの方は、「ITエンジニア就活サイト/エージェントおすすめ31選 | 選び方,評判も」も参考にしてみてください。