保育士として働きながら、退職を考えていても言い出せないでいませんか?
人手不足・職場の人間関係・心身の疲れなど、様々な理由で退職を決意しても、園児や保護者への責任感から一歩を踏み出せない保育士さんは多くいます。そんな方におすすめ退職代行サービスについてぜひ知ってみませんか?
この記事では保育士の退職に特化した退職代行サービスの活用方法を実践的な視点も含めて解説します。
- 退職代行サービスを活用すべき具体的な状況と判断基準について
- 保育士に適した退職代行サービスの選び方と具体的な料金相場について
- 退職後の再就職に向けた実践的なキャリアプランの立て方について
1.保育士が直面する退職の難しさとは
保育士の退職は、一般的な会社員の退職と比べてより多くの困難が伴うといわれています。その背景には保育業界特有の構造的な問題と、保育士という職業の特性が深く関わっています。
慢性的な人手不足による引き止めの実態
保育業界では深刻な人手不足が続いており、これが退職を考える保育士にとって大きな壁となっています。
保育士の現場でよくみられる強引な引き止めケース例
「後任が見つかるまで待って欲しい」
「今辞められると園の運営に支障が出る」…など
特に問題なのは引き止めが園児や保護者への影響を理由に正当化されやすい点です。保育士の退職は確かに園の運営に影響を与える可能性がありますが、それを理由に個人の権利である退職の自由が制限されることは本来あってはならないことです。
精神的負担と罪悪感の問題
保育士の退職を困難にしているもう一つの大きな要因が、退職に伴う精神的な負担と罪悪感です。
「途中で投げ出すことになってしまう」
「子どもたちを裏切ることになる」
「子どもの成長に関わる大切な時期に担任が変わることが申し訳ない」
「残される先生たちの負担が増えてしまう」
上記のような園児や保護者への後ろめたさ・同僚への申し訳なさを感じている方が多くいます。
罪悪感は保育士という職業柄、子どもたちや保護者との密接な関係性を普段から作っていることから生まれます。当然の感情といえるでしょう。しかしこの責任感や使命感が強すぎるがために、自身の健康や生活を犠牲にしてまで働き続けてしまうケースも見られます。
実際に心身の不調を抱えて働く保育士は多い
実際の現場では、心理的負担から退職の意思を表明できないまま、心身の不調を抱えながら勤務を続ける保育士も少なくありません。このような状況は結果として保育の質の低下や、より深刻な健康被害につながるリスクをはらんでいます。
心身の健康を損なうような状況で働いている場合、退職代行サービスは単なる退職手続きの代行以上の意味を持ちます。退職代行サービスは保育士が抱える精神的な負担を軽減し、適切な形で次のステップに進むための支援者といえるでしょう。
2.保育士が退職代行サービス利用すべき7つのケース
では具体的にどのような場合・どのような状態で働く保育士が退職代行サービスを使えばよいのでしょうか。ここでは7つの具体的なケースを解説しています。自身にあてはまらないかチェックしてみましょう。
精神的・身体的な限界を感じている場合
保育現場特有の過酷な労働環境により、心身の健康に支障をきたしているケースが多く見られます。いつものことと見過ごさずに、心と体からの声に耳を傾ける必要があります。
健康のためのチェックリスト
- 慢性的な疲労がある
- 不眠が続いている状態
- 出勤前から強い不安や緊張を感じる
- 些細なことで涙が出たり感情的になったりする
- 体調不良や持病の悪化が見られる
上記にいくつか当てはまる場合早急な対応が必要な可能性があります。無理に勤務を続けることは、保育の質の低下だけでなく自身の取り返しのつかない健康被害につながる可能性があります。
園長や同僚との人間関係に問題がある場合
女性が多い職場特有の人間関係の軋轢(あつれき)や、パワーハラスメントの問題が発生しているケースが見られます。
園長や主任から過度な叱責や否定的な言動を受ける・同僚との間に派閥が形成され孤立している・些細なミスを必要以上に責められる・個人的な噂や陰口が蔓延しているなどの人間関係に悩む声も聞かれます。
人間関係に問題のある環境では、直接の対話による退職交渉がさらなる精神的ストレスを生む可能性が高くなります。そのため「直接の交渉」を避けたい方には退職代行サービスは適しているのす。
有給消化・残業代の請求をスムーズに行いたい場合
労働者の権利である有給休暇の取得や未払い残業代の請求が適切に行われていないケースも保育士の現場では多く存在しています。
- 有給休暇の取得を暗に制限されている
- サービス残業が常態化している
- 残業代の請求を言い出しづらい雰囲気がある
上記のような状況に置かれている場合や退職時の権利について十分な知識がない場合は、退職代行サービスを通じて権利を適切に主張し交渉することが効果的です。
退職代行を利用したとしても、残っている有給休暇を消化できるのは、労働者の権利です。しかし、退職代行を利用した人には有給消化を認めないといった企業も中にはあります。利用料金は上がるが、退職代行業者に有休消化の交渉までお願いしたいのかどうかも、退職代行サービスを選定する決め手になります。私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行でも有休消化するには」の記事はこちらからご確認できます。
責任感から自分で言い出せない場合
保育士特有の強い使命感や責任感から、退職の意思を表明できないケースが多く見られます。
担任を持つ園児への愛着が強く、保護者との関係性が深いために申し訳なさを感じたり、同僚への負担増を懸念したり、「保育士は聖職者」という意識が強いために退職をためらってしまうような場合があります。
退職代行サービスという第三者が介入することで、より客観的な立場から退職プロセスを進めることができます。
即日退職を希望する場合
心身の状態や環境的な要因により、即座の退職が必要なケースがあります。
緊急性の高いと思われるケース例
- 精神的・身体的な症状が重篤化している
- ハラスメント被害が深刻である場合
- 安全衛生上の問題がある場合、
- 違法行為を強要されている場合 など
上記のようなケースでは、退職代行サービスを通じた即日退職が有効な選択肢となります。
退職代行サービスの特徴を見ると、「即日退職」と記載されているものが多くあります。厳密にいうと、「”即日”会社に行かなくていい」だけであり、本日退職手続きが完了するわけではありません。私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行を利用した即日退職」の記事はこちらからご確認できます。
パワハラや過度な引き止めがある場合
退職の意思表示に対して、不当な引き止めや圧力がかけられるケースも少なくありません。
辞めるなら違約金を払え」 と脅される
「後任が見つかるまで辞めさせない」と言われる
上記のような場合に加えて退職願を受理してもらえなかったり、個人攻撃的な言動を受けたりする場合は法的な知識を持つ専門家を介することで、適切な形での退職が可能になります。
次の職場が決まっており円滑な移行を望む場合
新たな職場が決まっている中で、スムーズな移行を実現したいというケースもあるでしょう。転職先との入職時期の調整が必要な場合・有給休暇を利用した引き継ぎ期間の確保が必要な場合・退職時期の交渉が必要な場合・書類上の手続きを確実に行いたい場合など、退職代行サービスは、これらの調整を専門的な立場から支援することができます。
3.保育士向け退職代行サービスの選び方
実際に保育士の方が退職代行サービスを選ぶ場合、どのようなポイントに注目して選べば良いのかを解説します。スムーズかつ円満な退職にむけてしっかり確認しておきましょう。
弁護士・労働組合系のサービスを選ぶ
保育業界特有の複雑な労務問題に対応するため、法的な専門知識を持つサービスを選択することが重要です。
弁護士が運営・関与するサービス
法的な観点からの適切なアドバイスが得られ、労働法に基づいた交渉が可能となります。またトラブル発生時の法的対応も可能です。
労働組合が運営するサービス
団体交渉権を持つため強い交渉力があり、労働者の権利保護に長けているのが労働組合です。有給休暇取得や未払い賃金の交渉に強いという特徴があります。
一般の民間業者では対応できない交渉や法的問題も、弁護士・労働組合が関わるサービスであれば適切に対処することが可能性が高くなります。
参考:厚生労働省 労働基準法 厚生労働省 労働組合 衆議院 弁護士法
料金体系と保証内容の確認はしっかりと
退職代行サービスの費用は決して安いとは言えないため、慎重な検討が必要です。以下のようなポイントをきちんと確認して、代金について把握しておきましょう。
基本料金について | 返金について | 追加料金について |
・標準的な退職手続きの範囲 | ・返金保証の有無 | ・即日退職の場合の追加費用 |
・基本料金に含まれるサービスの詳細 | ・退職不成立の場合の対応・保証の条件 | ・法的トラブルの場合の費用 |
・追加料金発生の条件 | ・返金額 | ・追加交渉の費用 |
アフターフォローもチェックしておく
退職後のサポート体制もサービス選択の重要な判断材料となります。退職後の相談対応として、退職手続き完了後の質問対応・退職証明書等の書類取得サポート・引継ぎ関連の助言が受けられるかどうかを確認しましょう。
また転職支援サービスとして、転職エージェントとの連携や求人情報の提供、履歴書・職務経歴書作成支援があるかどうかも重要なポイントです。
メンタルヘルスケアや細部までのフォローについても確認したい
メンタルヘルスケアとして、カウンセリングサービスの有無・専門家への紹介体制・継続的なフォロー体制が整っているかどうかも確認が必要です。
特に保育士の場合、地域性や職場環境の特殊性から退職後のキャリア形成に不安を感じる方も多いため、充実したアフターフォロー体制があるサービスを選ぶことをおすすめします。
4.保育士が退職代行サービスを使った場合の退職の流れ
実際に退職代行サービスを利用した場合の具体的な流れについて確認していきましょう。各ステップにおいて、退職代行サービスが専門的なアドバイスと支援を提供してくれるため、初めての方でも安心して手続きを進めることができます。
初回相談から契約までの手順
退職代行サービスの利用を開始する最初のステップとして、まずは初回無料相談を行います。LINEやメール、電話などでの相談が可能です。現在の状況や悩みをくわしく説明し、サービスの詳細説明を受け、概算費用の確認を行います。
次に必要書類・情報の準備として、勤務先の正確な情報(社名、所在地、連絡先)や園長や担当者の情報・雇用契約書のコピー・可能であれば就業規則の写しなどを用意します。
その後契約内容の確認として、基本料金とオプション料金の確認・具体的なサービス内容の確認、・退職までのスケジュール確認、支払い方法の決定を行います。
退職日の設定と条件交渉
退職の具体的な条件を決定する重要なフェーズでは、まず退職希望日の設定を行います。それに伴って法定期間(2週間)の確認・引き継ぎ期間の考慮・有給休暇消化の検討などを行います。
次に交渉事項の整理として、未払い残業代の請求・有給休暇の消化方法・退職金の確認・社会保険の手続きなどについて確認します。
その後、退職代行業者による園側との条件交渉が行われ、必要に応じた調整を経て最終的な合意内容の確認を行います。
参考:厚生労働省 【リーフレットシリーズ労基法39条】有給休暇 厚生労働省 退職の申し出は2週間前までに
書類や備品の返却方法
実務的な手続きを行う最終フェーズでは、まず返却品の整理を行います。貸与備品のリストアップ・制服や名札・鍵や電子カード・園児の情報や記録など、返却が必要なものを全て確認します。
書類の準備と提出について
- 退職届の作成と提出
- 源泉徴収票の受け取り
- 雇用保険関連の手続き
- 健康保険・年金の手続き
- 返却方法の確認
退職代行業者はさまざまな手続きを保育士に代わって園側と調整し、スムーズな退職の実現をサポートします。また予期せぬトラブルが発生した場合でも、専門家として適切な対応を行ってくれます。
退職代行は、退職手続きを代行してくれるといっても、申し込みさえすれば、あとは何もやらなくていいわけではありません。「どのような流れで退職手続きが行われるのか」「自分は何をすればいいのか」を理解した上で、退職代行サービスを利用するようにしましょう。私たち編集部が誰にでもわかりやすいようにまとめた「退職代行の流れ」の記事はこちらからご確認できます。
5.保育士におすすめの退職代行サービス4選
保育士の方にぜひおすすめしたい退職代行サービスをご紹介します。ぜひ選ぶ際の参考にしてみてください。
セカステ
基本情報
- 料金:21,800円(キャンペーン料金あり)
- 株式会社運営(司法書士監修)
- 365日24時間・全国対応
セカステは全額返金保証制度も設けられており、キャンペーン料金ありなどの充実したサービス内容で注目を集めています。社会保険給付金と失業保険関連の相談が可能な点やしっかりとしたアフターフォローなども特徴です。
https://sekasute.jp/ 退職代行セカステ
わたしNEXT
基本情報
- 料金:29,800円(アルバイト・パート料金あり)
- 株式会社運営(労働組合提携)
- サブスクリプション料金あり
わたしNEXTは女性向けに特化した退職代行サービスです。女性スタッフによる親身な対応を特徴とし業界への深い理解と柔軟な対応力、きめ細かいサポート体制を備えています。
https://taishoku.to-next.jp/ わたしNEXT
退職代行Jobs
基本情報
- 料金:27,000円(組合費別途)
- 株式会社運営(弁護士監修)
- 後払い対応可能
退職代行Jobsは弁護士監修による信頼性の高いサービスとして知られています。24時間対応が可能で、確実な交渉力と豊富な実績が特徴です。
https://www.jobs1.jp 退職代行Jobs
退職代行ガーディアン
基本情報
- 料金:24,800円
- 労働組合運営
- 24時間365日対応
退職代行ガーディアンは労働組合による確かな交渉力が特徴のサービスです。労働組合としての強い交渉力を活かし即日退職にも対応しています。
https://taisyokudaiko.jp/ 退職代行ガーディアン
退職代行サービスは、他にも多くのサービスがございます。私たち編集部が2024年12月にリサーチした80個近い退職代行サービスの中から厳選した、「おすすめの退職代行サービス10選」はこちらからご確認できます。
6.退職代行サービス利用後の保育士のキャリアプラン
退職後について悩みを抱える保育士の方も多くなっています。ここでは退職後についても考えてみましょう。
退職後の保育士としての再就職について
保育士資格を活かした再就職を考える場合、様々な選択肢が存在します。自身に合った働き方ができるように慎重に検討していきましょう。
- 認可保育園…待遇や労働条件が比較的安定しており、公立・私立での違いを考慮しながら、キャリアアップの機会も多く望めます。
- 認可外保育施設…柔軟な勤務形態が選択可能で、特色のある保育への関わりを持つことができます。小規模な環境での就労が可能です。
- 企業主導型保育所…企業との連携による安定性があり、働き方の選択肢も多様です。新しい保育施設の形態として注目されています。
地域選定においては、前職と同じ地域を避けたい場合は通勤圏内の別エリアを検討することが望ましいでしょう。保育士需要の高いエリアをリサーチすることも重要です。また待遇条件の地域差も考慮に入れる必要があります。
スムーズな転職活動のためのアドバイス
転職活動を効果的に進めるためには、まず保育士専門の転職サイトの活用から始めることをおすすめします。複数の転職エージェントへの登録や・ハローワークの活用・SNSでの情報収集なども並行して行うことで、より多くの選択肢を得ることができます。
- 求人を選ぶ際…労働条件の確認を丁寧に行う必要があります。勤務時間と残業の実態・有給休暇の取得状況・給与体系の詳細などを確認しましょう。職場環境の調査として、離職率の確認・研修制度の有無・人間関係の雰囲気なども重要な判断材料となります。
- 面接対策…退職理由の整理が重要です。建設的な表現での説明を心がけ学びと成長を強調しつつ、前向きな姿勢で臨むことが大切です。また志望動機の準備では新しい環境での目標を明確にし、活かせる経験を整理し、園の方針との整合性を示すことが重要です。
将来的なキャリアアップへの視点も大切
例えば主任保育士などの管理職を目指す・専門性を活かした役割の獲得・資格取得によるスキルアップなど、長期的な視点でのキャリア形成を考えることをおすすめします。
退職後のキャリアプランは単なる再就職先の選択だけでなく、長期的な視点での自己実現の機会として捉えることが重要です。新しい環境での成長とより充実した保育士としてのキャリアを築くための第一歩として、慎重に検討を進めていきましょう
7.退職代行サービスは保育士の退職も確実にサポート
退職代行サービスは、保育士が抱える退職時の様々な課題を解決する有効な手段となり得ます。自身の状況に合わせて上手に利用しましょう。
ただしサービス選びは慎重に行い、法的な保護が確実な弁護士系や労働組合系のサービスを選ぶことも重要です。退職後の新たなスタートに向けて、安全・安心できる退職代行サービスを味方につけましょう。